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 慈悲

  慈悲
 宗教的救済の対機となる者は、既に信仰に入った者ではない。又彼の寺院の壇越でもない。
今此三界の一切衆生であらねばならぬ。少なくも人間の社会そのものでなければならぬ。
就中(なかんずく)日々刻々端的に逼る人類の苦悩深き者である。涅槃行に曰く「譬えば父母に七子有らんに、父母の心は平等ならざるに非ざれども、而も病める子に於いて心則ち偏(ひとえ)に重し」応(まさに)に知るべし宗教の対機は、一切衆生の中に於いて、特に病有る子に心則ち偏(ひとえ)に重かるべき筈である。
病有る子と云うは、其の宗教の信者でもなく、又壇越でもない。街頭に往来しておる者、衣食を求めて苦労する者、悪業を作す者、邪見を宣(の)ぶる者、重労働に服する者、穢悪の生活に沈む者、犯罪の者、軽賎されし者、飢人、病人、無信仰者、反宗教者、闘争者、嗔る者、怨言多き者、世を呪う者、正法を誹謗する者、賢聖を罵詈(めり)する者等、挙げ来たれば五濁悪世の衆生の総てである。是等病める子の為に、慈悲の心偏(ひとえ)に重く其の病を治さねばならぬ。
  (昭和二十一年)


富山 立山 紅葉

富山 立山 紅葉 十一月十日

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日本山妙法寺開山 無辺行菩薩 藤井日達大聖人様の御法話を中心として世界平和にかかわる事を発信して行きます。

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